ご 挨 拶
法華会理事長 久保田正尚
この度、高宮正理事長の逝去の後を受け、財団法人法華会の理事長に就任いたしました。
法華会は大正三年、東京帝国大学法学部教授・山田三良、大審院検事・矢野茂、中央大学教授・小林一郎らによって創立され、法華経の信仰を流布し日蓮聖人教義を宣揚することを目的とした在家と寺院の有志の会であります。創立以来、九十八年の歴史を有し、営々と法華経の月例講話を開催し、宗教文化誌「法華」を発行し続けてまいりました。
特筆すべきは、昭和六年、日蓮聖人の御真跡を永遠に保全することを目的として、中山法華経寺内に建立された聖教殿であります。この聖教殿建立こそ、当時の法華会理事長・山田三良博士が中心になって、法華会が渾身の力を込めて成し得た大事業でありました。
その後、大東亜戦争と戦後の混乱、オイルショックやバブル崩壊による経済的混乱、行き過ぎた競争社会がもたらす経済効率優先主義の弊害等、大小の国難を経て、世相は大きく変わりました。法華会はこれらの時代の荒波を乗り越え、会員諸氏の信仰心と情熱に支えられて、今日、往事には遠く及ばずながらも諸々の活動を継続しております。
平成20年、国の財団法人に関する法律が改められ、今まで民法34条に規定されていた財団法人は、新法の施行に伴い、平成25年11月30日までに、組織、体制を整え、新たに認可を受けなくてはならない事態になりました。
まずは、この財団法人の移行手続きを完遂し、法華会が今後も一般財団法人法華会として存続できるように全力を傾注してまいります。その上で、より充実した活動を展開し、法華会の目的であるところの「日本国及び世界の同胞の真の幸福と平和の創造」に貢献できるよう努力していきたいと思います。
歴史ある法華会を存続させるために、誠に恐れ多い大役でありますが理事長をお引き受けすることになりましたので、会員諸氏の更なる協力を願うものであります。
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